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初秋のイーハトーブ  ⑤大槌

NHKの朝ドラ「あまちゃん」最終回、感動しました!
三陸鉄道の復旧や恐竜の骨発見などの事実をドラマにからめながら、アキちゃんやユイちゃん、北三陸の皆さんが前に進んでいく姿に涙が止まりませんでした。(感涙)

さて、旅日記にもどります。
今回、三陸海岸沿いの大槌町の職員さんに町を案内して頂くことができました。
未だ残る津波の痕跡に改めて心が痛みましたが、町のホテルが再開するなど、明るいニュースもあったところでした。そして、この町で夢を持つ大切さを教えてくれる方に出会うことができたのです。

その方は、佐々木格さん。
震災後、ご自宅の庭に「風の電話」を作りました。
大切な家族や友人を亡くした人が、自分の想う相手と心で話ができるようにという思いからだったそうです。
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去年の春には石造りの小さな家を造り、「森の図書館」と名付けました。たくさんの方々から絵本が贈られて、夢いっぱいの図書館になりました。町の人も遠方からも人が訪れ、多くの人達の心安まる場所になっています。
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佐々木さんは、会社を退職されてからこの場所に移り住み、ガーデンデザインの仕事をなさっています。広い庭には、草木や花が植えられ、図書館やカフェの小屋も佐々木さんの手作り。まるで別世界に来たようです。
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こどもたちにとっては自然の中で遊び、本を読み…感性が豊かになる世界です。佐々木さんは、このような場所で過ごしてこそ、目に見えないものに気づき本当に大事なものが見えるようになる、そしてそういうこどもたちが将来、復興を担い日本のリーダーになってくれれば…という夢を語っておられました。

佐々木さんご夫妻は、とても穏やかな心豊かなご夫婦で、そして賢治さんが大好きで…私も時を忘れて長居してしまいました。賢治の詩「暁穹への嫉妬」に出てくる薔薇輝石は、大槌町でたくさん出るものだそうで、大槌町と石の話もお聞きしました。
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お話している最中、町の若い人達が訪れて佐々木さんと町の将来について熱く語っておられました。大槌町ではちょうど、「ひょっこりひょうたん塾」というまちづくりを考える事業が始まるところなのだそうです。その皆さんの姿を見て、とても力強いものを感じました。大槌の海を臨むベルガーディア鯨山は、こどもも大人も心安らぎ夢を語ることができる…そんな場所でした。またいずれおじゃましたいです。

大槌湾に浮かぶ蓬莱島(ひょっこりひょうたん島のモデル)は、この夏、町の所有となり町の文化財「名勝」に指定されたそうです。津波で流された防波堤の工事も進んでいましたので、もうすぐ島に渡れるようになるのですね。その日が待ち遠しいと思いました。
by kira_hoshi | 2013-09-28 20:13 | 希望郷いわて
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