5月の「朗読お茶会」では、今年できたばかりの宇治の新茶を、宇治香園の小嶋さんが淹れてくださいました。じっくり水出ししたお茶は、濃厚な緑のシロップのよう。そして、その茶葉は、苦味がおいしい早春の木の芽のよう。生命の息吹を味わいました。
そして今回は、与謝野晶子の詩「5月礼賛」からスタート。晶子は5月が大好きだったそうで、読みながら私も改めて5月が好きになりました。 童話「金魚のおつかい」「金ちゃん蛍」などは、枕元で子どもにせがまれながら話して聞かせている晶子の姿が頭に浮かびます。そして、詩「アウギュストの一撃」「日曜の朝飯」なども幸せな一家の様子が感じられるのですが、それと反対に詩「冷たい夕飯」は、一家の苦しい経済状況がうかがえます。お金がなくとも、子どもたちに大きな愛情をそそぎ、教育を与えた晶子の、母としての一面は歌人の晶子とは違う印象と思いました。 また、詩「モンソオ公園の雀」は、パリにいながら日本の子どもたちへの思いが綴られていて、胸が締め付けられるようです。 以前、鉄幹のふるさと与謝野町の江山文庫や晶子の故郷、堺市の与謝野晶子文芸館を訪ねて、かねがね晶子を朗読したいと思っていました。今回、童話と詩を合わせて読んでみて、とても勉強になりました。お越しの皆さん、ありがとうございました! さて、朗読お茶会の赤ちゃんスタッフさんは、1歳を過ぎていつの間にか…歩いてました!それどころか、町家の急な階段をよじ登り…(この日、階段初登りだったそう・拍手!)子どもの成長の何と早いことでしょう。 そんな姿を見ながら晶子童話を読むのは、なんだかとても心に感じるものがありました。
by kira_hoshi
| 2013-05-30 20:28
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